魚の流通が変わる!?まるで“寝台車” 魚を眠らせて運ぶ新技術!!
タイやフグなどの魚は基本的には生きたままのほうが価値が高いとされ、生きた魚の運搬には「活魚車」と呼ばれるものが使われます。ただ、運搬中に魚がストレスで死んでしまうなどのリスクもあります。そこで開発されたのが魚の“寝台車”、魚を眠らせて運ぶという画期的な技術です。どういったものなのでしょうか? 活魚」ネックは長距離の移動 「タイとか白身の魚は(活魚での運搬が)有効。関西圏では夏場のハモ、これは活魚で運んだほうが値打ちが上がりますね。(活魚かどうかで)倍近い値段の差が時と場合によっては出ますね」(卸業者「うおいち」中西素史さん) 魚が10分以内で眠りに ストレスを感じさせず運搬 そんな中、簡単に魚を生きたまま運べる新しい技術が開発されました。 「『魚活ボックス』というもので、魚を生かしたまま遠くへ運べます」(日建リース工業 大森道生事業開発部長) その「魚活ボックス」は一見、ただの生け簀のようですが… Q.普通の水槽をトラックに載せるのと何が違う? 「魚を眠らせて運ぶというコンテナなんです」(大森道生事業開発部長) Q.寝た状態で運べるという、いわば魚の“寝台車”? 「おっしゃる通りです」 そこで実際にマダイを寝かせてもらいました。実はマダイを入れた水には二酸化炭素が溶かし込まれています。 「今までも二酸化炭素で魚が眠ることは皆さん知ってはいたんですが、だいたい20分ぐらいで死んでしまっていた。私たちは適正な二酸化炭素濃度で魚を寝かせて、さらに酸素を適正な濃度にすることによって長時間寝かせ続けることを可能にしました」 二酸化炭素濃度の微妙な調整でほとんどの魚が10分以内に眠りに落ちるといいます。実際、マダイの様子を見てみると…水槽に入れて約5分で熟睡したマダイ、触っても起きません。この状態でトラックなどに積み込み、24時間は運べるといいます。その後、マダイを普通の海水に戻すと…2分ちょっとで何事もなかったように泳ぎ始めました。魚は寝ていただけなのでストレスも感じないといい、死んでしまうなどのロスが大幅に減らせるそうです。 一般的に、魚を生きたまま運ぶには「活魚車」という水槽を載せたトラックを使います。しかし、積載量の8割が海水で、魚は2割ほどしか積めません。さらに、運搬中の揺れなどのストレスで1割ほどの魚が死んでしまうこともあり、その分、魚の値段が割高になっていました。