今までその国に存在しなかった生物が何らかの手段で侵入し、在来種を駆逐してしまうケースがありました。 さらに外来種が在来種と交尾をして、新たなる「交雑種」ハイブリットを作り出してしまうという生態の報告もあります。 ブラックバスなどが外来種として問題視されがちですが...タナゴやタンポポ、ヒラタクワガタなどは在来種がほとんどいません。 水産物や農作物の収穫や人間に直接、危害を与えるもの以外は、重要視されないこともありますが、研究者の間で懸念されている問題について、国立環境研究所・侵入生物研究チームの五箇公一さんが解説します。  外来生物がもたらす生態リスクのひとつに「種間交雑」があります。外来生物と在来生物が交尾をして、雑種をつくるという現象です。例えば、1940年代に食用として中国から導入されたハクレンやソウギョといった大型魚に混じって、タイリクバラタナゴという小型の魚も持ち込まれましたが、日本各地の湖沼に定着して、日本在来のニッポンバラタナゴという近縁種との交雑が進み、日本の純粋なニッポンバラタナゴが、雑種に置き換わってしまい、ほとんどいなくなってしまったという事例があります。

TAG