アジの王様「シマアジ」は地磯でのフカセか遠投カゴ釣りで。

アジの仲間は実に多い。その中でおか釣りの対象としては「マアジ」が一般的だ。港湾内の堤防で見かける「アジん子釣り」のアジはマアジの幼魚である。誰にでも手軽にできるアジん子釣りはファミリーフィッシングで最も人気がある。コマセカゴを付けたサビキを上下に振りながら子アジを誘う。時合いがピークに達すると、鈴なりのアジが付いてきて歓声が上がる。  もっと数を釣ろうと思えば針外しを迅速にすることだ。そのために私の釣り友は1本のワイヤをバケツの上部に張り、それに通すだけで一瞬に針が外れアジがバケツの中に落ちるように工夫している。これは魚体に触れないことで魚の鮮度を保ち、かつ手返しの短縮につながる。  「メッキ」とはヒラアジの幼魚のことを言う。ギンガメアジ、ナンヨウカイワリ、ロウニンアジなどをひとまとめにヒラアジと呼び、県内でのメッキはほとんどがギンガメアジである。メッキは小さい割には引きが強く、やりとりがエキサイティングなのでファンが多い。小型のミノーやメタルジグ、ポッパーなどで釣るのが一般的だが、私的にはサーフトローリングで狙ってほしい。仕掛けに枝針を追加すると1投で複数匹のメッキをゲットできる。イナダやネイゴなどの他の青物にも十分に対処できる。  群れは絶えず移動するので行く手を追いかけながら釣るのは楽しい。メッキは本来「死滅回遊魚」とされ冬を越せないものとされていたが、昨今の温暖化により真冬でも釣れることもある。南薩の地磯からロウニンアジが釣れるようになったのは驚きだ。  アジの王様と呼ばれる「シマアジ」は地磯でのフカセ釣りや遠投カゴ釣りで。シマアジ釣りで最も苦戦するのはバラシが多いこと。唇が軟らかいので切れやすいのだ。そこで仕掛けにクッションを付けたりバクダン針を使ったりするがそれでも完璧ではない。回遊魚はまき餌が途切れたらスッとエリアから消えてしまうので間断無く続けることが大切。つまり敏速な手返しが釣果アップにつながる。

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