ヒメマスいよいよ解禁!!! 十和田湖の水路が大群で”大渋滞”
青空を映す穏やかな湖面。だが「そこ」だけは、水面がジャブジャブと音を立てて沸き立っていた。 秋田県小坂町の十和田湖増殖漁業協同組合ふ化場から湧水が流れ込む湖岸は、恋の季節を迎えたヒメマスたちでごった返していた。 驚かせないよう、カヤックをそろりと近づける。さび色の雌の大群の中で、朱色の婚姻色をまといベニザケの風貌をあらわにした40センチ前後の雄が、悠然と泳ぎ回る。 群れは数千匹、いや数万匹? 「最盛期になれば、この辺りは赤く染まるよ」。同漁協の依頼で水中撮影をしているという男性が教えてくれた。水面下は一足先に秋色に染まっていく。 同漁協は毎年、70万匹のヒメマスの稚魚を放流している。ふ化場の荻沢道明場長によると、今年の遡上(そじょう)は去年より早く11日ごろから本格化。連日2千~2500匹ほどが幅40センチ程度の窮屈な水路を、押し合いへし合いしながら場内へと上っていく。例年より型は小さめだが数は多いという。 10月1日から秋のヒメマス釣りが解禁される。水路の大渋滞はしばらく続く。