バス釣り職業見学させてください!【レイドジャパン社長&プロアングラー 金森隆志】

20年以上に渡り、岸釣りアングラーとして確固たる地位を築いている金森さん。様々なメディアやイベントで活躍するほか、彼はレイドジャパンの代表取締役という顔も持っている。 Q.会社を立ち上げた経緯を教えてください。 【A.「仕事としてずっとバス釣りに携わりたかったからです」】 かれこれ20年ほど前からプロアングラーとして活動していたけど、メーカーと組んでプロアングラーとして活動するのみだと必ず限界が来る。年齢を重ねるたびに体力が落ちて気力も落ちがちになる。これは抗えないことです。万が一事故が起きて、思うように動けなくなる可能性もあります。 それと結婚や家庭を持つことを考えると、釣りばっかりできるとも限らない。そういう変化に対して、プロアングラーとして生きていくにはリスクが大きすぎます。仕事として一生バス釣りと関係を持つにはどうすればいいかを考えた結果、レイドジャパンという会社を立ち上げることになりました。正直、たいした学歴はありません(笑)。だけどこの業界で生き残るために必要なことは何か、というのは起業する前に長い時間をかけて考えました。 Q.最初に発売したのはロッドでしたが、その理由を聞かせてください。 【A.「僕が常に気にしているのは『時代』なんですよ」】 会社を立ち上げた頃は、時代がいろんな意味で変わりかけてました。バス業界が伸びていく途中、例えば20年前ならルアーを作って売って会社を大きくしていくのが常套手段だった。でもその手段を当て込んでも、後発の人間が何ができるんだろうと。 あの頃思ったのは、時間をかけたら会社が成長できないし、この世界で長くやっていきたいという思いが摘まれるだろうなと。だからリスクは高いけどシンボリックなもの、ロッドに対してアプローチしていかないとダメだろうなと。高額なものを好んで買ってくれるお客さんが一定数いれば、単年で会社を成長させられる。そうすればお客さんに対してもっといいものを提供できる。 例えばダッジは開発に5年かかりました。開発当初のプロトタイプと製品は全然違うものになりましたが、徹底的に時間をかけて納得のいくものを出すことができました。それもロッドによる売り上げが確保されていたからです。 Q.社長としての仕事を教えてください。 【A.「社長業らしいことはしてません(笑)」】 社長は覚悟と責任さえ負えれば誰でもできると思います。社員の生活を預かる責任や、会社の舵取りの責任です。世の中の変化を見て、会社はこっちに行くべきだとかこっちのほうが面白そうだとかを判断するのが仕事です。社長はいろんなことができないと、頭のいい人じゃないとダメかなと思ってたけど、僕の場合は皆さんのお力添えで的なことで全然やれるなぁと。やってみて、今もなおそう思います。 僕の考えたことがすべてじゃなくて、僕のアイデアに関して社員が力を貸してくれて、1のものを10、10のものを100にするというのがレイドジャパンの根幹です。会社というのはチームで、監督である社長が右往左往しちゃダメだと思います。これはバス釣りと同じ考えで、それぞれのルアーごとに役割があるのと同じで、僕がものづくりに特化してたらデザイナーはいらないし、帳簿がつけられれば経理スタッフはいらないんですよ。それぞれの社員に役割があって、それぞれが得意分野で実力を発揮してほしいと思ってます。 Q.どういう人と仕事をしたいですか? 「バス関連のメーカーでは、会社の規模は小さすぎず大きすぎずという人数かなと。開発や事務関係に長けた人を増やしたいです」と金森さん。 【A.「この分野に関してはコイツしかいない、みたいな人です」】 採用に関しては僕が全部やってます。定期的な採用はないけど、この分野に関してはコイツしかいない、みたいな人と仕事がしたいです。レイドジャパンが好きです! っていう人はたくさんいるけど、好きが先行しすぎると仕事にならない。好きだということと仕事を区別できて、なおかつ仕事をやり続ける力がある人ですね。 実は面接で採用した人は1人もいなくて、「アナタが欲しい!」と僕が声をかけることがほとんどです。いい仕事をしてる人って目に留まったり耳に入ってくるんですよ。業種が違っても、極論いうと居酒屋でも声をかけることがあります。「目配り気配りすごいね! うちで働かない?」みたいに(笑)。あとは僕と世代交代してくれる、若くて才能あふれる天才アングラーを常に待っています(笑)。

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