銀桜サーモン」と命名 栃木県開発のサクラマス、新たな名産品に

栃木県は県水産試験場が釣り堀などの管理釣り場向けに開発した新魚種「全雌(ぜんめす)三倍体サクラマス」の名称を、「銀桜(ぎんおう)サーモン」に決定したと発表した。2020年6~7月に名称を公募し、寄せられた2021件の中から決めた。命名を機に、県の新たな名産品として、生産の拡大と認知度アップに取り組む。  「銀桜サーモン」は、銀色に輝く姿と桜を連想させる身の色彩を表現するとともに、「王」をイメージする響きから選ばれた。気品ある県のオリジナルサーモンになるようにとの願いを込めたという。20年10月に特許庁に商標登録を出願、22年3月に審査を通過し、発表に至った。  県農村振興課によると、県内には川や人工池などに魚を放流し、管理されている有料の管理釣り場が現在46カ所あり、群馬県の56カ所に次いで全国2位。1年で約20万人の釣り客が訪れている。マスは引きの強さや形の良さから人気が高く、県内でも37カ所で扱っている。サクラマスは秋に繁殖を終えると雄雌とも死んでしまうため、冬場は釣ることができなかった。  県水産試験場は一年中サクラマス釣りを楽しめるようにと、16年から産卵せずに冬を越せる「全雌三倍体サクラマス」の開発に着手。19年の秋から管理釣り場への出荷を始めた。通常のサクラマスは体長約40センチ、重さは1キロほどだが、銀桜サーモンは体長約50センチ、重さは2キロほどの大型に成長する。産卵をしないため身は締まり、上品な味わいだという。  現在は、県なかがわ水遊園(大田原市佐良土)▽栃木市総合運動公園フィッシングフィールド(栃木市川原田町)▽アウトドアビレッジ発光路の森フィッシングエリア(鹿沼市上粕尾)――の3カ所の管理釣り場で釣ることができる。今後は、味や色味を改良し、旅館や飲食店向けの出荷も目指すという。  同課の担当者は「『銀桜サーモン』を県のブランドとして定着させて、観光客を呼び込みたい」と話している。

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